お手本を見つける

ロールモデルという言葉をご存知でしょうか。簡単に言えば手本となる人あるいはものを指すことばです。なぜそんな話が今出てくるのか。それは看護師の憂鬱を払拭するための手がかりになるからです。看護学生の頃や新人だった頃には、ある程度こうなりたいという理想の看護師像があったと思います。しかし、日々の忙しさに追われてそういうことを考えなくなってしまい、しまいには目の前の仕事に手一杯になってしまっていませんか。こうした状況が長く続くと自分の理想像はおろか、看護師としての目標やキャリアプランのことを考えるのも忘れて、ただひたすら目の前の業務をこなすことばかりを考えてしまうようになります。そうなってくると悲惨です。看護師の仕事は俗に言う「のべつ幕なし」。一つの仕事が終わる前にすぐに次の仕事や出来事がやってきます。それに対処するためにくるくると働いているうちに、憂鬱に陥ってしまうのです。そうなってしまわないために、まずは一度立ち止まって周囲の看護師を見てみましょう。同じように忙しく立ち働いているのに、どこか生き生きとしている同僚や先輩などが目に入ると思います。
例えば、あの人の仕事の優先順位の付け方はすばらしいだとか、この人の患者に対する接し方はとても良いだとか、この主任の業務管理の仕方は良いだとか、そういうところに目を向けるのです。こうした、身近な同僚たちの良いところを少しずつ吸収していければ、自ずとあなたもすばらしい看護師となることができます。そうなると、憂鬱はいつの間にか去ってしまって、あるのは仕事の楽しさや素晴らしさを知っている自分という看護師に出会うことができるのです。大切なのは、自分がどういう看護師になりたいのかという具体的なビジョンを持つことです。そして、周囲にはきっとそうしたビジョンをごく一部でも実現できる看護師がいるはずです。何の目的も目標もなく日々の仕事をこなすだけでなく、近くにいる人の良いところを学ぶことによって、新たな発見や可能性が見えてくるはず。また、インターネットのサイトで先輩看護師の話や日記を見てみるのもいいかもしれません。自分より経験豊富な先輩の、仕事を通した思い出話や苦労話を見ることで、自分の中にある疑問や不安を解決するきっかけになるでしょう。例を挙げるなら、こちらのサイトのような。→【看護師の語り場~患者さんとの思い出~】
そして、自分が看護師になろうと思ったきっかけを思い出してください。ただ何となく看護師になった人などいないはず。そのきっかけとなった人あるいは出来事について考えて、どうすればその姿に近づくことができるのかを真剣に考えてみましょう。

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